イセヒカリ

イセヒカリ
 
 伊勢神宮の祭りにお米は欠かせません。その欠かせない稲を作るのが神田です。神宮では神饌の野菜・果物をはじめ米類に至るまで、自給自足で行っています。お米は楠部町というところに神田があり、大切に栽培されています。

ところが平成元年の秋、伊勢地方を台風が二度も襲いました。台風の被害は神田にも及びました。神田のコシヒカリは無惨にもべったりと倒伏したそうです。倒れやすいのがコシヒカリの最大の欠点です。

しかしながら、水田中央に悠然と直立する稲株があることを、台風一過の朝、管理者の森さんが発見されます。これを大切に育てられると、不思議なことにコシヒカリより稈(かん)が太く短く、しかも成熟するにしたがって、見事な黄金色になりました。コシヒカリのくすんだ色とは違います。コシヒカリより収穫が1週間遅いことから、森さんはこの稲を「コシヒカリ晩」と名付け、翌年から試験栽培を始められました。こうしてイセヒカリは誕生しました。

優れた形質をもつイセヒカリは、斎庭の稲穂の神勅さながらに、平成の御代替わり(みよがわり)に時を合わせたかのように、皇室の祖神・天照大神をまつる伊勢の神宮の神田で生まれたのでした。

絶対に倒れないから、機械化に対応しますし、さらにイモチ病にも強い耐病性の稲でした良いことずくめの「驚異の稲」は平成8年1月、聖寿無窮(せいじゅむきゅう)を祈念し、皇大神宮御鎮座二千年を記念して、神宮少宮司より「イセヒカリ」と命名されました。毎年、神宮ではイセヒカリと天皇陛下が御自ら皇居内でお育てになられた稲を神嘗祭に供されております。

私も2年連続で、イセヒカリの籾をポリバケツに入れて育てました。しかしながら収穫の前にスズメの大群に食べられてしまい、新嘗祭の神饌にできませんでした。



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クロマニヨン人

はじめまして!
森ノ宮ОBのものです。
いつも楽しく読ませていただいております。
ところで質問なのですが、黒住宗忠さんについて、どう思われますでしょうか?

あまてらす かみのみとくは あめつちに
みちてかげなき めぐみなるかな

↑大好きです
by クロマニヨン人 (2011-03-03 22:57) 

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