大御心に感謝申し上げます

大御心に感謝申し上げます
明治天皇の暗殺を企てたとして社会主義者が処刑された明治43年(1910)5月、大逆事件というのがありました。国営明科製材所に勤務する宮下太吉が爆弾実験をしたとして逮捕されたのが最初で、その後、幸徳秋水をはじめとする社会主義者による天皇暗殺計画として12人が処刑された事件です。歴史的に真相は不明な事件です。

しかし明治天皇さまが、そのときに御詠みになった歌が下記のものであります。

罪あらば われを咎(とが)めよ 天つ神 民はあが身の 生みし子なれば

解釈するにあたり、特に難解なところはありません。明治天皇さまのこの歌は浪速高校の神道の授業のときに聞かされました。そのとき、衝撃を受けました。それはそうでしょう。なぜならば、自分を殺そうとした人間を許し、彼らに罪はないので、天つ神さま、私をとがめてください、と言っておられるのです。明治天皇さまは神さまに違いないと思いました。すべての責任は私にあり、という心境は、神さま、そのものであると感じました。

当時、「明治天皇」というテレビドラマがありました。毎週、先代と見るのが楽しみでした。そのときの主題歌に明治天皇さまの御製が歌われていました。

四方の海  みな同朋(はらから)と 思う世に など波風の 立ちさわぐらん

四方の海はみな同胞で友人と思うのに、この世になぜ波風が立ち、騒ぎが起こるのであろうか、という御製でした。先代から「欧米列強がアジアを侵略し、ロシアが日本を虎視眈々と狙っている頃に明治天皇がお詠みになられた」と聞いたときも衝撃を受けました。

そして先代から大東亜戦争は避けられないものと事実上開戦を決定した御前会議で、昭和天皇さまは、懐から短冊を取り出してこの御製を詠みあげられたと聞かされました。御前会議では、昭和天皇さまは御発言されないのが普通でした。ところがこのとき、昭和天皇さまは突如御発言をされ、この御製をあえて御詠みになられたそうです。先代は昭和天皇さまは平和を最後まで望んでおられ、何とか戦争は避けたい、という御気持ちが明治天皇さまの御製を読み上げられた、ということを教えてくれました。

この上記の二つの御製には、明治天皇、昭和天皇、今上陛下、更に神武天皇から連綿と続く歴代の天皇さまの願いと祈りが凝縮されている、と思います。両陛下の東日本大震災の
被災者へお見舞いが続いております。4月27日、仙台市の体育館で、皇后さまに被災者の佐藤さんがスイセンのお花を差し上げられました。私には、両陛下が、花に託された被災者の心をしっかりと受け止めていただいたことを、両陛下のお姿から伝わってまいりました。今後も両陛下の被災者へお見舞いが続いきます。被災者もそれによって未来への希望を失うことなく、勇気づけられていると思います。本当に日本という国に生れてよかったと思います。

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まいまい

>当時、「明治天皇」というテレビドラマがありました。毎週、先代と見るのが楽しみでした。そのときの主題歌に明治天皇さまの御製が歌われていました。

初めまして。わたくしもこのドラマの主題歌が記憶に焼き付いており、後に明治天皇の御製でお歌の意味を知り、ますますこのドラマの情報を知りたいと思うようになりました。しかし、いくら調べてもこれといった情報がございません。どこの局で誰の主演だったのか・・・。
でも、こちらの記事を見つけ、同じ記憶をお持ちの方がいらっしゃったことは嬉しかったです。
他にどなたか情報をお持ちの方がいらっしゃればよいのですが。
by まいまい (2014-05-21 08:27) 

鶴見神社宮司花谷幸比古

「明治天皇」というテレビドラマは私が高校生のときでした。昭和41年ごろだと思います。確か読売テレビ系で土曜日の午後9時から午後10時までの時間帯です。第1部の主役は市村羽左衛門、第2部は片岡仁左衛門です。主題歌の御製を歌われた人は声楽家の五十嵐喜芳さんでした。
by 鶴見神社宮司花谷幸比古 (2014-05-26 13:11) 

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