八紘一宇の街、大阪

八紘一宇の街、大阪

今年の6月18日に「大阪北部地震」、7月6日から8日にかけて「平成30年7月豪雨」、9月4日から5日にかけて関西を襲った「台風21号」、前後するように北海道を揺るがした6日未明の「北海道地震」は、それぞれ多大な被害をもたらしました。

被害に遭われた方に心よりお見舞い申し上げます。

ところで9月の下旬、大阪市在住の中国の友人は、故郷の大連へ帰ります。その友人が私に「台風や豪雨・地震、本当に日本は天災の多い国、人の住むところではないね。なぜ貴方は住んでいるのか」と問いかけてきました。

「日本には無数に神社とお寺があり、お墓があり、天皇様がおられる国、だから守られているので出て行かないのだ」と答えました。中国の友人は驚いていました。

堅苦しいお話しここまでです。

今年の夏、高校野球の応援で甲子園にやって来た秋田県の友人は「大阪はくそ暑いし、大阪人の声はうるさいし、派手なおばちゃんがウロウロしている、町の中は派手な看板ばかり、タクシーに乗ればどころから来たのか聞かれるし、テレビを見れば留置場から脱走する犯人もいるし、大阪は人の住むところではない」といっておりました。

大阪の街は東京と違って人と人との距離感がないのです。親戚と同じぐらいに近くにあるのです。東京では右を向いても左を向いても基本他人です。当社の氏子地域を見ますと、宮司の私の性格や趣味、子供や孫の数まで知っています。私の子供の時の成績や学歴・職歴まで知っています。私も同様に、氏子さんたちのことは、よく知っています。

このように大阪人は、人と人との距離感がないのですが、その分、親切心が強いのです。友人がタクシーの中で、運転手から「どころから来たんや」と言われたのは親切心があるからです。

たとえば街中で、外国人或いは日本人が観光の目的地を探すため、道端で地図を広げていると通りがかりの人が必ず「どこへ行くん?」って声をかけられます。そして行きたい場所を教えてくれます。行く先が不明なら「ちょっと歩いている兄ちゃん、ここ教えたって」というように聞きます。「いっしょに行ってやるわ」と言うぐらいに親切心が強いのです。

東京だと、向こうから聞かれないと教えないと思います。今回の「台風21号」で当社の周囲でも被害がありました。近所の皆さんが一軒ずつ「大丈夫か、何か手伝うことがあったら言うてなあ」と親切に訪ねて来られました。

大阪では隣の部屋の住人の顔も知らなかったりすることはありません。孤独な人間が集まっている都会が東京だと思っています。大阪は、ざわざわと騒がしい街だと思われていますが、社会生活を営む人間の間で行われる知覚・感情・思考の伝達、コミュニケーションを大切にしている街だからです。

そうです。大阪人は自分から声をかけるのです。誰かが道すがら倒れていたら「大丈夫か」と必ず声をかけてくれます。大阪人は気軽に声をかけてくる人が多いので、他府県から移り住んでも溶け込みやすいところです。

私は大阪と言う街は、神武天皇の橿原建都の令・八紘一宇の詔が生かされている街だと思っています。「世界は一家、人類は皆兄弟」なのです。


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中秋節(旧暦8月15日)について

中秋節(旧暦8月15日)について
中秋節は9月上旬~10月上旬にある中国のお月見の日で、中国では9月22日から24日まで休日となっています。中秋節は春節、端午節と並び、中国三大節句の一つです。1年でも最も美しい満月の見られるこの時期に行われます。古代中国では中秋節は祖廟を祀る日でもありました。

今の時代、中秋節は月見の行事です。月に住む美女やウサギのために、月餅を供え、家族で月見を楽しみます。その昔、中国が蒙古に支配されいた時代がありました。厳しい圧政下にあり、漢民族は蒙古軍に反抗する機会を狙っていました。一斉蜂起の計画を蒙古軍に知られることなく、人々に知らせるために、その旨を書いた紙を月餅に忍ばせて各家庭に配り、一斉蜂起は成功させ、明朝が樹立した、という逸話が残っています。

中秋節の時期に、我が国ではお彼岸となっています。元々この日はお彼岸であって、先祖を祭る日でありました。宮中では9月23日、秋分の日に秋季皇霊祭が斎行されます。また古くから、お彼岸に最も近い戊の日は、社日として氏子が氏神たる神社に参詣し、春は五穀豊穣を祈り、秋は実りある収穫に感謝する習わしがありました。

当社でも9月23日、秋分の日、午前10時から祖国日本の為、尊い命を捧げられた護国の御英霊をお慰め申し上げる為に、祖霊祭を斎行します。

不思議に神社の恒例祭と中国の伝統的な祭事は重なることが多いのです。例えば春分の日の春季皇霊祭は清明節、5月5日のこどもの日は端午節(龍舟祭)、9月9日の重陽の節句などがあります。

先月の8月24日に「大阪道教教会」に頼まれ、「知っていて知らないお宮のこと。恒例祭と道教との関係」という演題で講演をさせてもらいました。日中関係は決して良好とはいえません。「政治」とは別に「民間」で交流することが必要です。それで「大阪道教教会」
の講演を引き受けました。

25歳のときに1年半あまり中国に短期留学しました。中国医学、特に鍼灸医学を学び、中国各地の病院で研修させてもらい、中国の人たちと交流しました。そこで中国の伝統と文化に接することが出来ました。今回の講演は中国の文化や道教が日本に大きな影響を与えた具体的な例を拾ってお話させてもらいました。

私たちのご先祖は中国の文化も良いところを取り入れてきました。それを上手に育み発展させてきたのが日本文化なのです。日本風にアレンジしながら大切に今も残して来たものが多くあります。その一つに神道の祭祀です。2時間の講演でしたが充実させていただきました。
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