尖閣列島問題と中国人の内情

尖閣列島問題と中国人の内情

今回の尖閣列島の中国漁船の拿捕と船長の拘束は、明らかに日本側が正しいのです。今回のことで、おそらく全中国に反日のデモが起こると思います。中国への留学経験のある私には、中国共産党が日本に対して、次にどのような行動に出てくるのか、よく分かります。また昨年まで大阪府日中友好協会の副理事長をしていた関係上、中国人や中国政府の高官との付き合い方も心得ています。以上のことから日本人が知っておかなければならない中国人のおおまかな性格を記述してみます。

先ず中国人は中国を世界の中心である、と考えていることを知ってください。中国の正式名称は、中華人民共和国である。それが証拠に中国の国名を見てください。中国人はこの国名を、

世界の中心の華やかな場所に人民が共に和やかに暮らす国

と考えています。和やかに暮らしているかどうかは限りなく不明なのですが、中国こそが世界の中心という考え方は、中華思想に基づく中国人の伝統的な考え方です。では中国以外の国、外国は何かというと、野蛮人が住む国と思っています。もっとも、現代においてもこのような考え方を持っているのは、中国共産党の一部、狂信的な愛国主義者、ネット中毒患者、文明から取り残された人間達だけです。

ここで中華思想を説明します。中華思想とは、中国(中華)が世界の中心であり、その文化、思想が最も価値のあるものとし、漢民族以外の異民族を、「化外の民」として見下す選民思想の一種であります。中国で思想が盛んに唱えられ始めたのは、春秋戦国時代に入ってからのことである、孔子、老子などがその先駆者で、戦国時代に入ると、諸子百家の出現を見るようになりました。思想というものが姿を現し、「中華思想」というものが存在するのは、この時代以降のことです。

中華人民共和国のチベットやウイグルに対する強圧政策、南沙諸島や尖閣諸島への侵略政策、強硬な反日政策、反国家分裂法の採択等による中華民国(台湾)に対する圧力、侵略予備行動、反日デモの激化や軍事力の増強等を覇権主義的政策と見做し、これを現代に於ける中華思想の発露だと解釈する説が高まりつつあります。

その為、日本では中国政府の「覇権主義」的行為を「中華帝国主義」と呼んで危険視する声が日に日に高まりつつあります。

また中国人は私生活のみならず、仕事や商売でも現れる中国人の特徴の一つに、日本みたいに統一された公のルールがありません。公のルールが通用しないために交通マナーの悪さは世界一だと思います。公のルールも北京は北京流、上海は上海流、地方は地方流、さらに個人となると、その人流が当たり前です。よい言い方をすれば中国人は大雑把で自由奔放な民族なのです。中国人の好きな言葉に「我行我素」があります。他人がなんと言おうが、自分のやり方でやるという意味です。

あらゆる世界で、あらゆる場面でとかく話題に上る中国人のマナー問題です。社会生活におけるあらゆるマナーは、心に余裕のある人間にこそ養われるのです。相手を想う気持ちは、自分の心が他者に素直になれて初めて芽生えるものです。しかし、大多数の中国人は、まず自分とその家族が矛盾した現代中国社会の中で生き残ることしか頭に浮かばないのです。海外旅行ができるほど経済的余裕ができた人間も、これだけ乱れた希望のない国で、心に余裕のないまま生き抜いていれば、マナーなど身につくはずがありません。衣食足りても礼節を知らず・・・当然のことです

中国には「衣食足りて礼節を知る」という言葉があります。日本でもお馴染みの有名な言葉です。これは中国の管仲(中国の春秋時代における斉の政治家)の著書とされている『管子』の中の言葉で、

倉廩(そうりん)満ちて礼節を知り、衣食足りて栄辱を知る

があります。中国語では「倉廩實則知禮節、衣食足則知榮辱。」となります。つまり、「人は、物質的に不自由がなくなって、初めて礼儀に心を向ける余裕ができてくる。」という意味であります。ところが、経済発展著しく、海外旅行にまで行けるようになった中国人、衣食は足りているにもかかわらず、なぜか礼節を知りません。かつては「礼節の国」とまで言われた国が、今では「無礼の国」とまで言われる始末です。勘違いしないで下さい。中国は経済格差が激しく、豊かになったのは一部の地域、一部の人だけのことです。近年は内陸部の開発も進んできたが、依然として格差は縮まらないのです。豊かになった人たちでさえそうなのですから、今日明日の生活さえ精一杯の人が心に余裕などあるわけがないのです。

さらに経済的な面ばかりではない。中国国内には、他国では考えられない「理不尽」と「矛盾」と「強迫観念」がごろごろしています。中国国内では毎年数万件の暴動がおきています。余裕どころか不満だらけという証拠であります。かといって、政府を激しく非難することもできません。言論の自由など建前でしかないからです。うかつなことを言えば、すぐに目をつけられます。最悪の場合は逮捕されて刑務所行きです。政府にとって都合の悪い人間は、濡れ衣を着せられ死刑にされたことも珍しくはないのです。政府から管理され、監視される息苦しい生活を強いられている中国国民が、本当の意味でも「幸福感」や「満足感」のある充実した人生を過ごせるはずがありません。反日デモの裏側に民衆の不安不平が、実は中国共産党に向けられているのです。そのことは中国共産党も心得ています。今や反日デモを中国共産党や一部の富豪層が煽っていますが、やがて規制して行くでしょう。放置すると自分の首を絞めることになります。

尖閣列島の問題は理不尽な中国政府の対応にあります。しかし日本は中国を無視して生きていけません。日本にとっていまや世界最大の貿易相手国は中国です。いくら嫌だと言っても中国産品なしにもはや日本の「食」は成り立ちません。しかも21世紀前半に、中国は経済規模で米国を抜き世界一になるといわれています。この厄介な隣国に対して日本人はどのようにセルフコントロールしていけばいいのか。

皮肉をいうようですが、参考になるのはほかならぬ中国人です。彼らは日本人が大嫌いです。だが中国人は「日本製品」は大好きです。品質が優れてよいからです。この合理性、この割り切り方を日本人もおおいに参考すべきであろう、と思います。

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