英霊たちの殉難の碑

英霊たちの殉難の碑
終戦後、戦争犯罪人として、はかなくも散っていった悲しき英霊たち、私は決して忘れません。現代の日本は英霊たちのご恩のお陰で、発展して行きました。占領軍の推し進めた自虐史観のために、小・中学校の教育現場では何も教えられず、英霊という言葉さえも葬りされました。

しかしながら今日の日本の平和と繁栄のため、自らの魂を賭してこの世を去った英霊たちのご恩を思うと、哀惜の念が絶えません。戦後生まれの私ですが、叔父さんが戦死し英霊となりました。遺書を読むと、涙がこぼれます。今の日本の姿を見ると、英霊たちに対して恥ずかしいと思いになります。

平成6年3月15日、英霊たちのご恩を忘れず、その魂を悼み、聖地高野山奥の院に追悼碑・刻銘碑が建立されました。
 戦争の悲惨な歴史が人々の記憶から風化しつつある昨今、亡き英霊達の魂の安らぎを心から祈りつつ、彼等の声に耳を傾けて頂きたい。そう切に願うものであります。

過去の祭文を代表し、平成16年4月29日の祭文を掲載いたします

八葉の峰々満山新緑に映え、遅咲き桜吹雪の中 霊峰高野山奥の院のここ昭和殉難者法務死慰霊碑の御前で、高野山真言宗管長総本山金剛峯寺座主資延敏雄大僧正猊下を御導師に仰ぎ、本山式集の御出仕を賜り、御遺族を初め多数の皆様方の御出席を頂き、先の太平洋戦争で連合軍礼なく戦犯裁判により、尊い犠牲となられた千百八十余柱の第十一回年次法要が厳かに執り行われるにあたり、謹んで追悼の詞を捧げます。

ここに眠る殉難法務死されました御霊は、帝国軍人軍属として職務上の責任又は、受命行為を、たまたま運悪く戦犯と呼ばれる苛酷な運命を背負い無念極まりなく刑場に連行されました。祖国の再建と人類の恒久平和を念じ、従容として悠久の大義に生き殉死をとげられました。私も戦争犯罪容疑者としてフィリピン・マニラ・カンルバン捕虜収容所に収容されておりましたが、幸い運良く容疑が晴れて復員いたしました。その後、前橋陸軍予備士官学校で、私の同期同中隊の陸軍主計中尉萩野舜平君が、戦死した上官の身代わりに銃殺刑に処せられた事を知り、その御霊の菩提を弔うため、慰霊碑建立を発願いたしました。調査が進むにつれ、軍人軍属、台湾、韓国を含め、千人以上が殉難法務死されていることが順次判明、全員を祭神として合祀慰霊碑の建立を計画、総本山金剛峯寺から格別のご理解とご協力を得、同士並びに全国各地から献身的な奉仕と御志納を頂き、平成六年五月念願の慰霊碑を無魔、成願建立落慶いたしました。
その後、数次にわたる工事を実施、刻銘碑・裁判地地図・掲示板・植樹・参道整備等を実施、毎年今日の良きみどりの日に年次法要を営んでまいりました。

熾烈な戦に敗れたりとはいえ戦後日本が奇跡的な繁栄を遂げ世界の経済大国として、大きな役割を果たせるのは、ひとえに御英霊の尊い犠牲の上に築かれた御加護と大和民族の勤勉性の賜物と信じます。又、その尊い犠牲の血潮は、アジア諸民族の自覚と決断を促す民族独立と我国多年の悲願である人種差別撤廃の原動力となりました。

どのような不幸な戦争に際しても軍人として武士道精神にのっとり、戦い終わって後は、昨日の敵は今日の友とその勲功を称え握手を交わし、互いに慰めあってまいりました。弘法大師の教えに、「生かせ命」、「是々非々是智」という戒めの言葉があります。戦後中国の最高指導者、蒋介石総統は、「日本人の捕虜に接するに徳を持ってあたれ」と布令、全員を日本に無条件で帰還させ、日本国同胞を大変感動させました。

尊い犠牲となられた英霊の方々の思いと、残された御遺族のつらい思いを、未来にわたって風化させず、刑死された人々の無念を空無にすることなく日本国民等しく永久に菩提を弔う義務があります。

幸いにも、この昭和殉難者法務死追悼碑を守る会が組織され、戦中派の高齢に加え、二世、三世と若者がこの碑を囲み歴史を語り継ぎ、御遺族の断腸の思いを胸に秘め鎮魂の誠を捧げ、戦後今日まで築き上げてきた平和を守り、祖国日本の繁栄のため努力する力強い同志が育ちつつあることを大変うれしく思っております。願わくば英魂、二ヶ月後に世界文化遺産に本登録される、ここ高野山の聖地奥の院に鎮まりまして、平和の礎として、世界の尊敬と信頼を博す道義国家日本が再生発展されますようお守りください。

本日ここに、御遺族の方々と香を手向けて菩提を弔い御冥福をお祈りし、あわせて御遺族をはじめ御列席の皆様方の御健勝と御多幸を祈念し、御参加の労をねぎらい追悼の詞といたします。
                維時平成十六年四月二十九日
昭和殉難者法務死追悼碑を守る会 顧問 築野政

nice!(1)  コメント(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

「草莽崛起」めまいのツボ ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。