大和言葉

大和言葉

 漢字が伝わる以前から日本で話されていた言葉が『大和言葉(和国語・固有語)』です。もともと日本列島で話されていた言葉で、漢和辞典の訓読みに当たります。そうすると音読みは中国から入ってきた読み方ということになります。大和言葉は、自然発生音がベースとなっています。弥生時代になってわが国に漢字が入ってきて、それぞれの漢字に訓読みをつけていくことによって、語彙の豊富な大和言葉が整理され、上代語として発展します。

 大和言葉の「ア・イ・ウ・エ・オ」の母音以外に「ヰ・ヱ・ヲ」の母音がありました。
「う」に近い「い」の「ゐ」(ヰ)があります。「井」・「亥」の字がこの発音です。
「あ」に近い「え」の「ゑ」(ヱ)があります。「恵」・「絵」の字がこの発音です。
「あ」に近い「お」の「ヲ」があります。「乎」がこの変形です。
「ラ・リ・ル・レ・ロ」はありません。また「しとしと」が「じとじと」に「ひたひた」が「びたびた」のように点々がつくような濁音の言葉はありません。さらに「ん」もありません。

あ行は一番、最初の行であり、母音の行でありますが、友人と「あ」だけで、約3時間も話したことがあります。まるで山口百恵と松田聖子のどちらがえらいか議論するほうが団塊の世代の私たちにとっておもしろいかもしれません。子音のベースとなるが母音なので「はじまり」であり、「あ」とつく言葉は大和言葉の原点です。例えば「赤」という色の言葉は「あ」と「か」で成り立っています。「か」は火力の「か」で火を表す言葉です。
これを左側の甲類としますと、「川」の「か」は水を表す言葉であり右側の乙類に属します。「赤」は甲類の「か」を表し、乙類の「川」の「か」とは違う発音が大和言葉にありました。

「赤」の反対は「青」です。大和言葉では「あを」になります。そうなると「わ」行の大変に難しい「を」について説明しなければなりません。ここでは簡単に「を」について説明しますと、大和言葉では「を」は「空」を表す言葉です。

「あく」「悪」は大和言葉では、今で言う犯罪者のような悪人の「あく」ではありません。「あく」の「く」は力があり「ものすごい」という意味があり、「あく」は非常に力のある、という意味になります。「悪魔」の「あく」ではありません。

「あい」「愛」という言葉は大和言葉では、ラブという今の言葉ではありません。大和言葉では「あい」の「い」は命を表しています。そのことから小さな命の子供に対して言う「かわいい」という意味です。

「あほ」「阿保」は馬鹿を表す言葉ではありません。「あほ」の「ほ」はものすごく仕事をする人、またはご奉仕する人を表しています。「あほ」は大和言葉では、他人のためにご奉仕する人を言います。大阪府松原市に阿保町という町名があります。または平城天皇の息子さんに阿保親王と言う人がおられました。「阿保神社」もあります。大和言葉が時代の移り変わりで廃れてしまい、本来の意味と違う意味になってしまったのです。

最初から学術論文を読んでいるようなので、もっと簡単な大和言葉を記載します。
とぅらー顔。ぱなー鼻。ぴるー唇。たあー手。いなー犬。むいー蛇。いわー魚
わたー海。たまー山。
いもー男の人の彼女・恋人。せー女の人の彼・恋人。ゑふー酒

このように大和言葉を研究すると大変な論文なりますし、本居宣長先生は大和言葉には88音の発音があったと言われていますので、これからの課題にします。




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