「知っていて知らないお話し」

「知っていて知らないお話し」

お正月の挨拶は「明けましておめでとう」ですね。でも、どうして「おめでとう」なのか、何がおめでたいのか、考えたことがありますか。
古い言葉に「盆と正月が一緒に来たようだ」という言回しがありますが、この「盆」と「正月」とはともに、日本古来の神祭りの行事なのです。

古来より神祭りとは、私たちに恩恵をもたらしてくれる「神霊」をお迎えして、神人和合の時をすごすものです。「古事記」にも登場する少彦名命(すくなひこのみこと)も常世(とこよ)からくる常世(とこよ)神(かみ)です。マレビトであり、外来神です。神というより「精霊」といったほうがいいのだと折口信夫先生は言っておられます。神の観念がうまれる前は、精霊や魂(たま)でした

ところが時代の流れと共に、お盆にお迎えするのは、「御先祖さま(お精霊さま)」、お正月にお迎えするのが「歳神さま」と区別されるようになりましたが、どちらも元は「生命の根源」である常世からやってくるとされていました。

お正月に、注連飾りをして門松を立てるのは、単なる慣習ではありません。
「歳神さま」をお迎えするために、家の中を掃除するのは祓い清めの名残であり、神さまの御座としての準備のしるしなのです。宮司の私もお正月まえに散髪をして男前にするのも「ご先祖さま」と「歳神さま」をお迎えするためです。その後、正月午前零時に神殿に於いて元日祭を執行します。

歳神さまは、私たちにその年の生命、寿命、健康を授けて下さいます。これが歳神さまからの賜り物、トシ神さまからのタマわりものとしての「トシタマ」すなわち「お年玉」なのです。
本当の「お年玉」はお小遣いではなく神さまからの「賜りもの」なのです
だから、子供でなくても、何歳になってもいただくことができるのです。
この生命、寿命を賜ることがあってこそ「おめでたい」のです。
しかも自分だけでない。世の中のすべての人が平等に、分け隔てなく新しい生命を頂戴するのです。



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