笏(しゃく)

今日は神職が祭祀に際して常に手に持っています笏について説明します。
 笏は、中国において、役人が君命の内容を、忘れないようにメモを書いておくための板「手板」であったと言われています。日本においては、笏に必要事項を書き記した紙「笏紙」を裏面に貼って用いていました。のちには威儀を正すために右手に持つ小道具となり、束帯の時および神事に際して用いられました。
 律令の定めでは五位以上は象牙製の牙笏(げしゃく)ですが、日本では入手が困難なため、今はすべて木製です。櫟(いちい)が一般的で、そのほか椎、樫などでつくられています。

笏の形状
 臣下は上円下円が通常用です。ただし慶賀(祝い事)の場合には「慶賀の笏」と称して、上方下円タイプを用いました。
 天皇は上方下方が通常用。神事に際しては上円下方タイプを用いました。

笏の寸法
 記録には「長さ1尺2寸、上広2寸7分、下広2寸4分、厚3分」などとありますが、持つ個人差や家々による流儀の違いもあり、まちまちです

笏の材質
 もっとも一般的な櫟(いちい)は「一位」に通じるとされて、ポピュラーです。飛騨国の位山産のものが最上とされました。その他「ふくら」(モチノキ)も用いられ、天皇は「ふくら」を用います。
 古くから「板目が良く、柾目は良くない」とされてきました。その理由は明らかではありませんが、笏を楽器として打ち合わせる「笏拍子」をとるときに、柾目だと割れやすいということも理由の一つと考えられます。

現在、神社本庁の「神職の祭祀服装に関する規程」では、「男性神職の場合、正装・礼装・常装ともに木笏を用いる」と示されており、今日では神職の服装(衣冠、斎服、狩衣、浄衣)の皆具(一揃えのもの)として一般的に用いられています。

    神職の笏         天皇の神事用の笏    天皇の一般の笏
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