天之御中主神について

天之御中主神について

『古事記』には八百万神に先駆け、最初に高天原に現れた神さまと記されているのが、天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)です。『日本書紀』では『古事記』と違い、最初にご出現された神さまは国常立尊と記されています。

『古事記』では天之御中主神は、八百万神に先駆け、最初に高天原に出現されましたが、
この後に生まれる高御産巣日神、神産巣日神の二柱の神とは異なって、天之御中主神に関する記述はこれのみで、その神性や働きなどについては記されていません。
ただ、『古事記』序文に、天之御中主神、高御産巣日神、神産巣日神を指して「三神造化の首(はじめ)」という風に書かれているため、この三柱の神を「造化三神」と呼んでいます。

『日本書紀』には、このような記述は第四の一書に見えるのみで、天御中主尊(あめのみなかぬしのみこと)と記されているだけで、本文には記されていません。
『日本書紀』の本文では最初に現れる神は国常立尊で、故に天之御中主神と国常立尊を同一視する説もあります。

また本居宣長先生の『古事記伝』には「天の真ん中に坐して世の中の宇斬たる神と申す意の御名なるべし」とあります。
このように、直接生活にかかわる神さまではないので、長らく信仰の対象にならなかった、という事実があります。

白川神道の伝承では、天之御中主神とは、天の真ん中におられる神さまで、いわゆる宇宙の中心に立たれておられる神さまであるとされ、その働きは、他の神さまと違い、「生み」「作り」「生かす」という造化の奥の奥の働きをされるのが天之御中主神のお役目であるとされています。
それが故に、天之御中主神は、常に最奥におられるために、決して自己の正体を表面に表すことはないのです。しかし、天之御中主神のお働きは、万物すべての生成に深く関与されておられます。現在の言葉で言えば、天之御中主神は「高天原の最高の指令神」と言うことになります。


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コトタマ学

すみません、ご存知かも知れませんが、日本語の起源、言霊百神というサイトをご紹介させて頂きます。
by コトタマ学 (2014-02-16 15:55) 

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