「万歳」について

 「万歳」について
オリンピックの競技をテレビで見ていますと、「日本バンザイ!」という歓声が聞こえてきます。韓国語で、「マンセー」・中国語では「ワンスイ」と言います。「万歳」の字源は中国が起源です。明治初めに祝意を表する歓声の候補に「万歳」(バンザイ)と「奉賀」(ホウガ)がの二つがあったそうです。新政府は、兵隊たちを訓練してさせてみたところ、「万歳」を三唱するほうが威勢がよかったそうです。もう一つの「奉賀」を三唱すると「阿呆が!」に聞こえてしまったので、「万歳」となったと言われています。

ところで日本で最初に「萬(万)歳」の記録が出てくるのは「日本書紀」からです。雄略天皇5年2月、天皇が葛城山に狩にお出ましになられた折に「萬歳」の語が初めて出てきますが、当時は「よろづよ」または「よろづとせ」と読まれていました。意味として、共に君主の長久を祝うめでたい言葉なのです。後の世に、雅楽が発達しますと千秋楽と共に万歳楽(まんざいらく)という曲が伝えられており、長久を祝うめでたい曲とされています。
そのことは「栄花物語」の中にあります。「けふは ばんぜい(萬歳)」とあり、また即位礼やその他の賀宴で奏される神楽「萬歳楽」は「まんざいらく」と詠んでいます。神楽歌・千歳の末歌にも「まんざい(萬歳)、まんざい、まんざいや、よろづよのまんざいや」とあるように、上代から中世にかけては「ばんぜい」または「まんざい」と呼ばれていたようです。

つまり上代・中世の時代では「ばんざい」の呼び方が出てこないのが解ります。前述しましたように、新政府が「ばんざい」を三唱させてのが最初だと思います。正式には明治22年2月11日の大日本帝国憲法発布式の慶祝の際に「バンザイ」と唱和されたのが最初です。



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