月食からの考察

月食からの考察
昨夜は皆既月食でした。買い物に出かけますと、歩道で子供たちが携帯電話のカメラで撮影したりする風景が見られました。月食について説明します。国立天文台の説明によりますと、地球と月は太陽の光を反射して輝く天体で、地球・月にも太陽の光による影があり、太陽とは反対の方向に伸びています。この地球の影の中を月が通過することによって、月が暗くなったり、欠けたように見えたりする現象が「月食」と言うことです。

簡単に説明しますと、太陽―地球―月が並ぶと月食になります。逆に日食とは、太陽―月―地球が一直線に並ぶことだということです。

承久3年(1221) に第84代順徳天皇自身の手による有職故実の解説書、禁秘抄(きんぴしょう)という書物があります。その中に日食と月食の際の天皇さまの慎むべきことが記載されています。

主上、日月蝕に当たる時、御慎み殊に重し。(中略)天子は殊にその光に当たらず。(中略)席(むしろ)を以って御殿を裹(つつ)み廻し、供御の如きもその光に当たらず。御持僧或いは他僧にても御修法を奉仕せしむ。その上御殿に於いて御読経あり。近代は多く薬師経なり。

解釈しますと、日食と月食の日、天皇は特に重く慎まなければならないことがある。御簾(みす)を下げ、その光を天皇に当ててはいけないと書かれています。しかもその上に、御所も席(むしろ)でつつみ隠し、日月食の光に当たってはいけないと記載されています。当時の巨大な御所の建物をむしろで包み隠し、日月食の光を当てないようにする作業を考えただけで想像を絶する作業だったことがわかります。
 
そして、僧侶が御修法を奉仕し、御殿では薬師如来の本願や功徳を説いた薬師経の読経が行われたとあります。

さらに平安時代の末期から鎌倉時代の初頭にかけての歌人であり僧侶でもあった西行の歌集『山家集』の中に「月蝕を題にてよみけるに」と題した歌があります。

いむといひて影にあたらぬ今宵しもわれて月みる名や立ちぬらむ
       
          (岩波文庫山家集173P雑歌・新潮1154番・夫木抄) 

解釈しますと、世間の人々は月蝕は不吉だと言って光にも当たらないようにしているが、私はそういう月であればなおさら、無理をしてでも見ようとする。奇人変人の悪い評判が立たなければ良いのだが。

何故、日食と月食が穢れであるかといえば、日食は天照大御神の岩戸隠れが影響していると思われます。古代では日食は、太陽の生命力である光が枯れていくと考えたのでしょう。要するに光が枯れていくことを穢れとみなしてきました。

古代人にとって月食は、満月が欠けて見えるできごとなんなんです。丸い形の月の下のはしの方からだんだん欠けていって、またちゃんと、元の形にもどります。 月の形が毎日変わります。そのときの月の欠け方と、月食のときの月の欠け方は違うのです。満月になった月が、毎日少しずつ欠けはじめるときと、月食のときは、月の形が違うのです。月食のときの月は「月を食べられる」という表現で考えて見ますと、月の神さまである月読命が食べられると古代人は感じたので月食は穢れとなったのです。

ところで昨日の月食といい、9月27日のに噴火が始まった御嶽山の噴火といい、何かの共通点があります。月の引力と太陽の引力が重なる満月や月食の日の前後は、地球の地盤の変動が起きるために地震や台風、火山の噴火が多いといわれています。

噴火した御嶽山で月食を観測しますと、火山灰が空気にたくさんまざって、月は黒っぽい赤色に見えるはずです。もともと月は明るく光っていますが、自分で光を出して輝いているわけではありません。太陽は自分で光を出して輝いていますが、月はその、太陽の光を反射して輝いているだけです。月は光を出さないために冷たい世界なのです。風水学では黒っぽい赤色の月は危険信号です。日本は今年の後半から天変地異の時代に入ったのかもしれません。

さらに偶然だと思うのですが、思えないところがあるのです。スウェーデン王立科学アカデミーは10月7日、2014年ノーベル物理学賞を名古屋大学特別教授・名城大学終身教授の赤﨑勇氏と、名古屋大学教授の天野浩氏、カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授の中村修二氏の3名に授与することを発表しました。このことについて記載します。

太陽は「核融合反応」を起こして光る星「恒星」となっています。太陽の光の中には紫や青、緑色、黄色、赤色など様々な色が混ざっています。これらをまとめてみると「白色光」に見えます。今回のノーベル物理学賞の3人の先生も高輝度青色LEDの実用化により、低エネルギーで利用できる白色光源が実現できたことが評価されての受賞となっています。

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