青山繁晴氏の近著「死ぬ理由、生きる理由―英霊の渇く島に問う」

青山繁晴氏の近著「死ぬ理由、生きる理由―英霊の渇く島に問う」
靖國神社では10月17日から秋季例大祭が斎行され、期間中には延べ約3万5千人が参拝した模様です。18日の当日祭には勅使が参向し、天皇陛下よりの幣帛を神前に奉り祭文を奏上されました。17日には超党派で組織する「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」の議員ら百119人(代理88人含む)が参拝されました。

閣僚では高市早苗総務相、山谷えり子国家公安委員長、有村治子女性活躍担当相らがそれぞれ参拝されました。しかし米国政府の意見を聞き入れ、安倍晋三首相は参拝を見送られましたが、真榊を奉納されて英霊に対する哀悼・尊崇の念を表しました。

最近の靖國神社への参拝者数を見ましても7月13日から16日までの期間で「みたままつり」が行われ、今年は30万人の参拝者で賑わいでした。若い人たちの参拝が増えたきたのが要因です。しかしその反面、マナーの悪さも目立つようになったそうです。

韓国や中国の首相の靖國神社への参拝への批判が高まれば高まるほど若い世代の参拝が増えてきています。その要因は祖国愛の目覚めがあります。祖国愛を高揚させた要因として8年前のクリンストン・イーストウッド監督の映画「硫黄島からの手紙」があります。

一番に大きいのは平成18年に刊行された百田尚樹さんの小説「永遠の0」だと思います。「永遠の0」が平成22年から平成24年にかけて須本壮一さんによる作画で漫画版が刊行され、平成25年12月に映画が公開され、大ヒットしたのも影響があったと思います。

それ以後に若者たちの靖國神社への参拝が増えてきたと思います。これからも参拝は増え続けると思います。その理由は硫黄島戦線の歴史と実情を検証した青山繁晴氏の近著「死ぬ理由、生きる理由―英霊の渇く島に問う」(発行元ワニ・プラス1728円)が平成26年8月12日発刊されたからです。

これを読みますと、当時の日本にとって硫黄島が軍時的ににいかに大事な所にあったかがよくわかります。硫黄島は東京の千代田区と同じぐらいの面積でしかも島内の最高峰摺鉢山(標高169 m)があり、周囲の島々と合わせて火山列島と呼ばれる列島を形成しています。

東京都区部からは、南方におよそ1,200 kmに位置しますが、グアム島から硫黄島、硫黄島から東京とがほぼ同じ距離なのです。米軍がここを占拠すれば燃料の補給なしに日本に対して渡洋爆撃ができるのです。そのために硫黄島の戦いがあったのです。

昭和20年(1945) 2月19日から3月26日の36日間、日本軍とアメリカ軍との間で壮絶な戦いが始まったのです。当初、アメリカ軍は5日で片付くものと思っていました。日本軍の守備兵力20,933名のうち96%の20,129名が戦死或いは戦闘中の行方不明となりました。一方、アメリカ軍は戦死6,821名・戦傷21,865名の計28,686名の損害を受けました。これはノルマンディー上陸作戦における戦死傷者数を上回ります。

昭和43年(1968) 6月26日、硫黄島は小笠原諸島と共に日本に返還されたが<現在は海上自衛隊と航空自衛隊の基地が置かれており、基地関係者以外の民間人の全島への立ち入り立ち入り禁止となっています。このことについて青山繁晴氏は「死ぬ理由、生きる理由―英霊の渇く島に問う」の中で、知られては困るものがあるから立ち入りが禁止されているのだ、と指摘されています。

アメリカ軍は硫黄島を占領後、日本兵の死体が残されたままにして、その上に飛行場を構築したのです。硫黄島返還後も自衛隊がそのまま使用しています。その飛行場の下には
1万1千人以上の兵士の方々のご遺骨が取り残されたままです。このことを知られたくないのです。

青山繁晴氏が熱く語っておられます通り、硫黄島が占領され飛行場が出来たら、B29の渡洋爆撃で日本の多くの都市が空襲にあい、父母か、妻子か、恋人か、亡くなる事になるかもしれない、占領を遅らすことにより、それだけ彼らを護ることが出来る、その想いのためにその尊い命を捧げたのだと。

硫黄島の指揮官栗林中将をはじめ末端の兵士に至るまで、どんなに祖国が恋しかろうか、戦死された英霊は今も迎えを待っていると思います。硫黄島の飛行場の下に眠っております。

平成18年(2006)、正式な許可を得て、硫黄島を訪れた経験を持つ青山氏は、この事実と問題解決を様々な場で訴えて来られたのです。祖国のために愛する人のために、硫黄島を守ろうとして散った英霊に対して、今生かされている私たちにも、きっと何か大切な役目があるというのが彼のメッセージだと思います。


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