青松寺のスカルノ大統領の石碑についての疑問に答えます。

青松寺のスカルノ大統領の石碑についての疑問に答えます。
以前のブログで1958年、インドネシアのスカルノ大統領が来日した際、スカルノ大統領がインドネシア独立戦争に参加して戦死されたアブドルラフマン市来龍夫、アレフ吉住留五郎両名の日本人の顕彰碑を、涙を流しながら直筆で書き、青松寺に建碑されていることを紹介しました。

その理由について質問がありましたので、私の知り得る範囲で答えます。なぜ東京の愛宕山の青松寺であったか、という質問ですが、この青松寺の近くに有名な老舗の日本料理店があります。その日本料理店は「醍醐」という名前です。そこにスカルノ大統領を招いた人物がいます。西嶋茂忠氏です。彼はインドネシア独立宣言に加わった人物です。その独立宣言は、日本の敗戦からわずか2日後にインドネシアは世界に向けて独立宣言を発せられています。独立宣言に関わった四人の日本人は次の人物です。

 前田精海軍少将
 吉住留五郎氏新聞記者
 三好俊吉郎氏陸軍司令官通訳
 西嶋茂忠氏 海軍嘱託

そしてインドネシア独立宣言は次のように発せられました。

 われわれインドネシア民族は、
 ここにインドネシアの独立を宣言する。
 権力の移行、その他に関する事項は適当、
 かつ迅速に処理される
          17・8・05

有名な話ですが、05とは皇紀2605年のことです。この石碑は西嶋茂忠氏の奔走により実現したものです。石碑の裏面には作家の富沢有為男氏がお二人の事を記されています。

それと市来竜夫氏は、岩田愛之助氏は、私と同じ大アジア主義で、「興亜の解放のためならば一命を棄てても構わない」という戦前の頭山満先生と弟子である黒龍会の内田良平先生の薫陶を受けたのです。私は内田良平氏の孫の門下生に当たりますので、両名の先輩はヤクザの世界で言う「伯父貴」(おじき)に当たります。

大東亜戦争が始まり市来氏は陸軍の宣伝班員としてジャワ派遣軍に加わりました。吉住氏は、1944年から海軍武官府で民族主義運動工作に従事されます。日本の敗戦のちもインドネシアに留まり、独立軍の軍事参謀指揮官として活躍しました。吉住氏は一個師団の軍隊を率いてオランダ軍に対して結核で血を吐きながら山中を転戦して戦いましたが、昭和23年7月ゲデリ州セゴンの山中にて力つきて病没されました。
市来氏は昭和24年1月マランのサトウキビ畑でオランダ軍と攻防をくり返した時に、頭部を打ち抜かれて戦死されました。

スカルノ大統領はこの両名の死を思い出すたびに涙を流していたそうです。スカルノ大統領は市来、吉住のお二人の御霊も、多くの元日本軍将兵とともに、独立の英雄として、インドネシアの英雄墓地に慰霊し顕彰しました。しかし1958年、スカルノ大統領が来日されたときに、両名が靖国神社に祀られていないことを、青松寺の近くの日本料理店「醍醐」で西嶋茂忠氏から聞き、「西嶋さん、二人の英雄を忘れては、永遠に日本とインドネシアの友好はない、何とかしてほしい」と頼んだそうです。それが日本料理「醍醐」の近くにある青松寺に、スカルノ大統領特有の文字と文章で彫られ建碑されたのです。今でもインドネシアの大使が日本に赴任されますと、必ず青松寺に行き顕彰碑を参られるそうです。これは今日、青松寺の住職に聞きました。

市来龍夫君と吉住留五郎君へ

  独立は一民族のものならず 全人類のものなり

  1958年2月15日 東京にて スカルノ

スカルノ大統領は、確立された国際秩序に真っ向から挑むアジアの英雄だったと思います。 人の情念に強く訴えかける才能、さまざまな勢力をまとめあげて前進する天才的な調整力と指導力、困難に立ち向かう勇気を備えていたと思います。
私は黒いイスラム帽ソンコに白いスーツで颯爽と現れるスカルノ大統領が大好きでした。私はスカルノ大統領の服装を真似ています。夏でも冬でもマオカラースーツを着用しています。スカルノ大統領のようにナショナリストたちを奮い立たせ、また多くの女性たちを魅了したいと考えています。このカリスマ性あふれるアジアのリーダーのように、還暦を過ぎましたが、反植民地主義に人生を賭け、欧米の反発を恐れず、妥協よりも対決を好んで、残りわずかな人生を生きたいと願っています。

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諸熊弘毅

平成25年に死去された市來美保子夫人を生前訪ねたことがあります。岩田愛一郎様のことを詳しく知りません。参考文献等を教えて頂けるとありがたいです。8月17日防衛省で行われたスディルマン将軍像献花式に参列し、その足で青松寺の石碑を訪ね、熊本に帰りました。

by 諸熊弘毅 (2019-08-22 15:09) 

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