老人性難聴の治療について

老人性難聴の治療について
最近、鶴見神社の鍼灸整骨院に「難聴」の患者さんが治療に来られることが多くなりました。鍼治療が「難聴」の治療にも応用できるのか、と思われるお方が多いと思います。しかしながら鍼での「難聴」は古くから行われています。実際、先代は昭和40年代初期から鍼による「難聴」治療を行っていました。その方法のために国交回復していない中国に何ヶ月も神社を留守にして訪中していました。

私も昭和50年代初頭に中国へ短期留学しました。そのとき「難聴」の鍼治療の方法を学びました。日本に帰ってから、当時の神戸大学の耳鼻科の木村先生や大阪市の小児保健センターの横山先生の要請とご協力の下で小学生までの子供を対象に先天性難聴の鍼治療を行いました。そのときに耳鼻科に関する医学的な知識を勉強させてもらいました。6年間ほど続きました。その間、1ヶ月に2回ほど広島市へ出張し、小学生までの先天性難聴の患者に対して鍼治療を行いました。

治療効果は先生方が学会で発表されました。残念ながら先天性難聴に対する鍼治療の効果は無残なものでした。しかしながら後天的な難聴に対しては、鍼治療の効果は期待できるという研究報告でした。

それから以後、私は後天性の難聴、つまり高齢者の難聴に対して鍼治療を続けてきました。ところで難聴を引き起こす病気には、耳垢栓塞、中耳炎や外耳道炎、滲出性中耳炎などの病的な耳の疾患から起きる伝音難聴のものもあります。この場合は治すことが可能です。 

ただ高齢者の難聴である感音難聴つまり老人性難聴は僅かながら効果は期待できます。それでは、老人性難聴とはどのような難聴なのでしょうか。それは加齢現象によって引き起こされる感音難聴です。つまり内耳の蝸牛の機能低下により音が聞こえにくくなります。また中枢神経の機能も落ちるので言葉の判断力も悪くなってきます。
  
例えば健康な人が「晴れ」と聞こえるとすると、伝音難聴の人は小さく「晴れ」と聞こえ、老人性難聴の人はややひずんで「晴れ」と聞こえる、ということです。
鍼治療でも完全に老人性難聴は治すことができせんが、鍼治療で補聴器から入ってくる音が鮮明になったとか、低下した聴力が少し回復したので正面で話しをするときは以前より聞こえるようになった、という程度までの効果は期待できます。



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