緒方貞子さんの華麗なる一族

緒方貞子さんの華麗なる一族
私は大阪市でも小さな鶴見区の鶴見神社という村社の宮司をしています。若かりし頃は武闘派の新尊王攘夷派でした。昭和40年代初頭、全国の大学は学園紛争で荒れ、全学連の新左翼系の学生たちのデモが各地で見られていました。しかし私から見れば、当時の新左翼系の学生運動は自分の信念を通して、赤軍派の浅間山事件のように立てこもって銃撃戦を引き起こす連中には到底思えませんでした。

それが証拠に現在でも新左翼系の活動家としてがんばっている人はほとんどいません。所詮、お遊びか、というバカにした言葉しかかけられません。しかしながら新尊王攘夷派の連中は、現在でも大半が現役を通しています。少なくとも社会情勢は私たちに味方しています。

ところで日本にとって満州国とは、どのような意義があったのか、本当に大アジア主義は現在でも通用するのか、検証したことがありました。そのとき、不思議な本を発見しました。「満州事変と政策の形成過程---日本は自己を破滅に導くような膨張政策をなぜとらなければならなかったのか」という原書房から出版されていた論文です。

この論文の題目は「満州事変と政策の形成過程---日本は自己を破滅に導くような膨張政策をなぜとらなければならなかったのか」で、この論文は原書房から本になって出版されています。すばらしい論文でした。日本が孤立してまで満州国建設が必要であったのかを検証されていました。

私が尊敬する玄洋社の頭山満先生・黒龍会の内田良平先生・宮崎滔天先生・石原莞爾将軍などの大アジア主義者が、なぜ急速に満州国を建国しなければならなかったのか、さらに亜細亜は一つの理想が軍部の利権に変化し膨張していったのかを研究された論文です。私たち新尊皇攘夷派では、ハーバード大学で「石原莞爾の研究」で博士号を取得した米国人がいることは知っていますが、この論文で、米カリフォルニア州立バークレー校で政治学博士を取得した日本人は知りませんでした。しかも女性には驚きました。

この「満州事変と政策の形成過程---日本は自己を破滅に導くような膨張政策をなぜとらなければならなかったのか」という論文を書いた女性は緒方貞子さんです。緒方貞子さんは平成3年(1991)国連難民高等弁務官に就任されて平成6年(1994)1月1日、国連難民高等弁務官に再任され任期5年、平成11年(1999)1月1日、国連難民高等弁務官に再任され任期2年で、平成13年(2001)まで10年間勤めた人物です。世界的に有名な国際政治学者です。

経歴がすごい人物ですね。聖心女子大学文学部卒業後、ジョージタウン大学大学院修了、カリフォルニア大学バークレー校大学院修了という学歴です。それと同時に世界中の紛争国をまわり、命がけで人々を救う任務を忠実されたことがすばらしいです。

何かの因縁でしょうか、子供のときからお世話になっていた坪井一夫先生の同志三上卓氏は海軍中尉であった昭和7年(1932)5月15日に、世にいう5.15事件で首相犬養毅を殺害しました。

何と緒方貞子さんの曽祖父が元内閣総理大臣の犬養毅だったのです。祖父は外交官で犬養内閣外相の芳沢謙吉です。父は外交官で元フィンランド特命全権公使の中村豊一です。母・恒子は芳沢謙吉の長女です。元共同通信社長の犬養康彦や評論家の犬養道子、エッセイストの安藤和津の従姉にあたります。

緒方貞子さんのご主人も因縁があります。ご主人の緒方四十郎は元日本銀行理事で、朝日新聞社副社長や自由党総裁、副総理を勤められた緒方竹虎の三男です。緒方竹虎は尊敬する中野正剛の親友です。息子の緒方篤は映画監督をされています。

この緒方貞子さんの「満州事変と政策の形成過程---日本は自己を破滅に導くような膨張政策をなぜとらなければならなかったのか」の論文で、日本における大アジア主義はファシズムとはいえない、という論説を展開されているのが救いでした。くやしいですが、緒方貞子さんは、新尊王攘夷派よりもスケールが大きいのではないかと思います。

ボスニア・ヘルツエゴビナ地域での紛争で難民が200万人ほど出たときに緒方貞子さんはセルビアのミロシェヴィッチ大統領と交渉されています。

平成6年(1994)、アフリカ大湖に接するルワンダとブルンジで、フツ族とツチ族による熾烈な抗争が勃発すると、緒方貞子さん自ら現地入りして実態把握に努めます。そして国外に避難したフツ系住民200万の難民を速やかに故郷へ帰還させることを決断します。しかし、ルワンダ政府軍は、次々と殺戮、残虐行為を続けました。

そこで緒方貞子さんは、平成9年の安保理事会で多国籍軍として治安維持に乗り出すことを提案し実現します。

平成12年(2000)、平和を取り戻したルワンダで、カガメル大統領は、緒方貞子さんに「ルワンダの友」と記した感謝状を送っています。さらに緒方貞子さんは、直接アフガンに乗り込み、タリバン政権と直接交渉をしています。





nice!(1)  コメント(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。