「体表」から「体内」を読む

「体表」から「体内」を読む
時々学生から「経絡」とは何か、という質問をされます。東洋医学では「経絡」というのは、「体を流れる気・血・水の道路」というわけです。

その通り道の上にあって、「気」の流れを調整するところが「経穴(ツボのこと)」というわけですね。まあ最近、本屋・駅構内のキオスクに売っている本を見ますと「経絡」に関する書物の多いのに驚きます。例えば「美顔に効くツボ」・「メタボに効くツボ療法」・「誰でもできるダイエットのツボ療法」とか、これで誰でも治すことが出来れば、「お宮の鍼・灸」も廃業に追い込まれるのですがね。・・・

しかしこの手の本を見るにつけて思うのですが、経絡や経穴が簡単に扱われ、バカにされているように思うのです。

このツボを手で押し、テープで付けられた磁石や球状のものを貼るだけで病気に効けば、私は社殿の屋根銅板修理・祖霊社並びに九鬼稲荷社の改修工事の費用捻出に苦労もしませんし、別荘の一つや二つぐらい手にして優雅に暮らしています。

これらのツボ療法の出版物を読まれて病気が治れば、この世に病人なんか、おりまへんで。
私は中国の古代人になって3千年前から存在する「経絡」を真剣に学んでいます。鍼灸医学を駆使して、難病と立ち向かっているものにとって、簡単に書物にしてしまう「経絡治療」や「ツボで治せる」というものに怒りすら覚えます。

古代中国の医学は自然医学と言っても過言ではありません。この世の万物は「気」から生じたと考えています。その「気」の哲学が「陰陽論」・「五行論」の2つに分けて展開しています。人間は「生」から「終」があります。その間に食べる・寝る・子孫を残す・排尿排泄・味覚・触覚・聴覚・視覚・嗅覚など、すべての行為が「陰陽」のバランスにより行われています。

上記の行為はすべて「自然現象」です。その「自然現象」に異常が生じたとき、つまり「気」のバランスが崩れたときが病気とされ、それを古代の中国医学では細かく細かく分析され、微に入り細に入り治療法が説明されています。

どのように細かく説明されているかと言うと、人体のあらゆる器官、「五臓六腑」と「経絡」というものを分類して、それを上手に結び付けて、体表に現れた皮膚から様々な情報、つまり「経絡」を整理して、体内の内部である五臓六腑の機能のアンバランスを丁寧に説明しています。

私は、これは中国医学のものすごいところであると考えています。「表の経絡の流れを知って裏の五臓六腑を知る」ということは西洋医学にない大変優れた考え方だと思います。

この考え方は現代でも、資源調査会社の知り合いが、砂漠の砂や土地の色で、ここにどのような資源が埋まっているのか分かるそうです。私は資源調査会社の知り合いを「ヤマ師」
と言っていますが、実は私も鍼灸医学の「ヤマ師」です。この人体の表面の「経絡」を見て「気の流れ」を読むことは、現代の医療においても大変重要な部分なんじゃないかと考えています。

この「ヤマ師」には不必要な検査等によって患者さんにかかる肉体的、精神的、経済的負担はありません。費用もかかりません。究極の医学は「体表」から「体内」の異常を判断することだと思います。これが古代の「経絡」治療の根幹かと思っています。


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