「赤とんぼ」という特攻機

「赤とんぼ」という特攻機
週に2度ほど来院される患者さんで80歳は超えられておられるのですが、とても元気で老人会でも会長されて面倒見のお年寄りがおられます。治療中に雑談しますと、戦争中は海軍航空隊におられ、予科練出身ということでした。

戦争末期、特攻隊に所属し沖縄にいる米軍の艦船を体当たりする訓練を満州でされていたそうです。私は軍事マニアなので艦船・自動小銃・戦車・飛行機の種類は大体知っています。体当たりをする飛行機の名前を聞いて驚きました。通称「赤とんぼ」という練習機で訓練していたのです。

九三式中間練習機、通称「赤とんぼ」は、目立つようにオレンジ色に塗られていたことから別名「赤とんぼ」と呼ばれていました。二枚羽根(複葉機)の機体構造で骨組みが鋼管または木製、羽根は布張りで作られていました。1933年に初飛行で全長 8.1m・全幅 11.0m・全備重量 1500kg ・エンジンは空冷340馬力で最大時速 213km/時 ・航続時間7時間・航続距離は1,020 kmでした。

エンジンは昔のフォルクスワーゲンのかぶと虫といわれたビートルと同じぐらいです。患者さんは、そんな飛行機で特攻訓練を受けられていたそうです。それも昼間は米軍機に見つかると、あっという間に撃墜されるので、夜間に訓練されていたそうです。昼はどうされていたのですか、と聞くと、昼寝だそうです。

こんな軽自動車なみの飛行機で特攻隊として体当たりされるのか、と思いその戦果を調べました。ウィキペディアによりますと、下記の通り記載されていました。

戦争末期には目立つことから機体上面は濃緑色に塗られ、さらに実用機不足と当機がアルコール燃料でも稼動可能なことから、機体全体を濃緑色で塗装した上に後席に増槽としてドラム缶を装着し、機体の限界に近い250kg爆弾を積み込んでの特攻に駆り出され、駆逐艦1隻(キャラハン)を撃沈している。

「赤とんぼ」は昭和20年7月29日、5名の特攻隊員が神風第3次竜虎部隊として台湾の新竹基地を出撃し、沖縄嘉手納沖の米艦に突入し、この大戦における米艦最後の沈没艦「キャラハン」を轟沈し、他2隻の艦船を大破する戦果をあげました。スピードが遅いためにレーダーに映らなかったことが幸いしたのでした。対空砲火を受けても,幸いにして「赤とんぼ」は機体は木製で羽根は布なので穴があくだけで撃墜されずにすんだのでした。

現在、沖縄県の宮古島の市営陸上競技場の東の嶺に、「神風特攻隊第三次竜虎隊」の碑が建っています。




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