「本日天気晴朗ナレドモ波高シ」

「本日天気晴朗ナレドモ波高シ」
明治38年 (1905)5月27日午前4時45分、五島列島沖で警戒中の信濃丸は、ロシアのバルチック艦隊を発見、連合艦隊に「敵艦隊見ユ」との第一報を打電します。バルチック艦隊発見の報告を受けた連合艦隊の東郷平八郎司令長官はすぐさま全艦隊に出動を命じると同時に大本営に宛てて秋山真之(あきやまさねゆき)参謀が発信した電文が「名文中の名文」として有名です。

「敵艦見ユトノ警報ニ接シ 連合艦隊ハ直チニ出動 コレヲ撃滅セントス、本日天気晴朗ナレドモ波高シ」

秋山真之は司馬遼太郎作「坂の上の雲」の主人公となった人物です。親友には正岡子規がいました。

「本日天気晴朗ナレドモ波高シ」、漢字を含めて13文字、ひらがなのみでも僅か20文字という短さの中で、天気がよく視界も鮮明であるため、すべての敵艦が見渡せる、砲撃にとっては好条件であるが、波が高いためにバルチック艦隊からの砲弾は我が艦隊に命中させることは困難である。しかし波が高いので我が艦隊の小型艦艇や水雷艇、機雷を2個つないだ連係機雷は使用できないという意味があります。

たったこれだけの短い言葉で重要な意味が込められていました。同じ言葉を引用した人物がいます。東京都議会の百条委に向かうにあたり、石原慎太郎元都知事は平成29年3月20日正午前、自宅前で記者団に心境をきかれ「天気晴朗なれど(も)波高し」と答え、続いて「君らは教養がないから分からんだろ」とメディアに皮肉をお見舞いしました。

そもそも君たちマスゴミが愚かで怠慢で、都政を見張っていなかったから、こんな状態になったんだろう、という意味があるように思えます。

平成29年3月23日、国会で森友学園の籠池泰典理事長の証人喚問が開かれます。籠池氏の証人喚問は午前10時から参議院で、午後2時50分から衆議院で、それぞれ2時間あまり行われます。国有地売買の経緯や安倍晋三首相、稲田朋美防衛大臣ら政治家との関わりなど、喚問されると思います。

証人喚問前に記者団から籠池泰典理事長の心境を聞かれて、彼がどのように答えられるのか楽しみにしています。前述の秋山真之参謀の電文の「皇国の興廃この一戦にあり。各員一層奮励努力せよ」と言い出しそうで楽しみです。



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13年前に起きたことの国会答弁

13年前に起きたことの国会答弁
買い物しようと氏子地域にあるイオンモール鶴見店まで出かけたら、肝心な物を買うのを忘れてしまったことがあります。携帯電話の置き忘れは常にありますが、発進すれば音で置き場所が分かります。常に老眼鏡は忘れ物になっています。これでも若い頃は友人の電話番号を100人程度記憶していました。今はすべて忘れてしまっています。

地下鉄に乗りますと車中で「宮参りのときに子供がお世話になりました」「地鎮祭のときにはお世話になりました」と氏子さんに言われるときがありますが、ほとんど記憶に残っていません。40年間、教師をしていますが教え子の名前はほとんど覚えていません。顔も記憶にありません。

昔の親友との思い出やそのときの会話は驚かれるくらい覚えています。興味が無かったり、思い出す必要が無い事柄は、思い出せないのは当たり前だと思います。ましてや今から13年前の出来事など記憶にありません。

2004年の民事訴訟に夫の代わりに原告側代理人として出廷したことなど記憶になくて当たり前だと思います。稲田防衛相は3月14日午前の参院予算委員会理事会で、学校法人「森友学園」が起こした民事訴訟の口頭弁論に原告側代理人として出廷したことを認め、学園の裁判に関わったことはないとする国会答弁を撤回し、謝罪する考えを自民党理事を通じて各党に伝えました。

今年は2017年です。今から13年も前の事です。そんな古いことまで覚えていないでしょう。しかも稲田防衛相は、当時は弁護士であり国会議員ではありません。しかも何でこんな事が問題になるのか?不思議でなりません。森友学園に関する問題はマスコミ、間違いましたマスゴミと野党は鬼のクビでも取ったかのような大騒ぎです。
 
    虚偽発言で稲田は辞職だ!安倍総理は任命責任があるから辞職せよ!

13年前の事を今起きているかのような報道し、国会は国会でそれを取り上げて責任論と結びつけるなど、本当に程度が悪すぎるとしかいいようがない、と思います。

ところで私は、13年前に大阪府神社庁渉外委員長として大阪地裁で民事訴訟の靖国神社訴訟に被告側に出席したということですが記憶にありません。








 

 


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古くて新しいもの、新しくてふるいもの

古くて新しいもの、新しくてふるいもの
47年前のお話しです。私が皇學館大学文学部国史学科の学生の頃、「神道概論」など神道に関することは谷省吾先生から学びました。伊勢市古市にあるご自宅にも何度か伺いし神道に関することを教えていただきました。

 伊勢神道(度会神道)の根幹である『神道五部書』(しんとうごうぶしょ)の一つで『倭姫命世記』(やまとひめのみことせいき)があります。記載されている有名な言葉があります。『倭姫命世記』は建治・弘安(1275-1288年)の頃、豊受大神宮(外宮)の神職、渡会行忠(わたらいゆきただ)の撰になったものとも言われています。その中の下記の言葉を谷先生から教わりました。

件(くだん)の童女(おとめ)宇太(うだ)の大采禰奈(おほうねな)を大物忌(おおものいみ)と定め給(たま)ひて、天磐戸(あめのいわど)の鑰(かぎ)を預(あずか)り賜(たま)はりて黒心無(きたなきこころな)くして、丹心(あかきこころ)もちて、清く潔(いさぎよ)く斎(ゆま)はり慎(つつし)み、左の物を右に移さず、右の物を左に移さずして、左を左とし、右を右とし、左に帰り、右に廻(めぐ)る事も、万事(よろづのこと)違(たが)ふ事なくして、大神に仕え奉れ。元(はじめ)を元(はじめ)とし、本(もと)を本(もと)とする故(ゆえ)なり。

解釈しますと、神さまに仕える時には左に置くものは右に置かず、左に置くものは左に置き、不自然なことをしない、と説いています。「左左右右(ささうう)」と言う自然なことを行い、不自然なことはしない、伝承させていることを行いなさいと説いています。

 また「元を元とし、本を本」、略して「元元本本」は、人々の「いのち」は、神々につながる「いのち」であり、そのことから常に自覚しなさい。その「根元」から「いのち」の出発があり、民族も国家も文化も神々からいただき成り立っているので、神々をまつり、神々に祈ることを受け伝えなさい、と『倭姫命世記』は教えています。

 谷先生は、「変化が激しい時代の中で、変化をしないものを探し続けなさい。神道は古くて新しいものであり、新しくて古いものである。神宮の式年遷宮も常若の思想である」と教えてもらいました。

 皇大卒業後、神社に奉職し、夜間に東洋医学系の専門学校に通い、柔道整復師・鍼灸師の国家資格を取得しました。東洋医学を学ぶ動機は「古くて新しいものであり、新しくて古いもの」であることが神道と共通していたからです。

神職でありながら中医学を学ぶために社会主義が徹底していた時代の中国に留学もしました。気がつけば神職でありながら柔道整復師・鍼灸師の専門学校と大学を有する学校法人森ノ宮医療学園の教員や理事となっていました。年を重ねてもどこかに谷先生の言葉が頭にありました。

 ところで私が50歳前後までに先代宮司も義父宮司も帰幽しました。二人とも共通していることは、常に世代交代の時期を考えていました。それは「どのようにお宮をお守り続けるか」ということでした。二人とも「自分の代だけが運営できればよい」とは考えてはいませんでした。孫の代のことまで真剣に考えていました。

いつか世代交代の時期が来ることを意識して、過去から未来へと続く歴史の中で、今に生きている自分たちが御先祖様のつながりを子孫へ引き継がれるように努力していました。

先代も義父も帰幽するまでに引退し子孫へ引き継がれたことで安堵感があったと思います。私も同様に長男へと、ご先祖から預かったお宮を子孫に引き継がれて行くことに努力しています。

パソコンや携帯電話が一家に何台もあり、インターネットを通じて世界中の新しい情報が入ってくる時代に「古くて新しいものであり、新しくて古いもの」を考えると、神宮の20年に一度の式年遷宮の「常若」の精神が「どのようにお宮をお守り続けるか」を反映しているようにみえます。

当社は時代の流れで社殿・社務所が鉄筋コンリート造の近代的な建物になっています。社務所の中では3台のパソコンで社務を行っています。神職との連絡もメールが行っています。変はりゆく中にあっても変はらないことは毎日、朝拝・夕拝を執り行っていることです。祈りや感謝の祝詞は何も変わっていません。祓詞も大祓詞もご先祖から伝承されたものを奏上しています。

 昨日の2月28日は大阪府神社庁の御神殿で「神宮大麻頒布終了祭」が執行されました。平成28年11月2日の「神宮大麻頒布始祭」と同様に今回も斎主としてご奉仕させていただきました。顧みれば、先代も斎主としてご奉仕していまた。祭員の神職も父親が祖父が過去に何度もご奉仕しています。

生命は永遠ではありません。しかし生命は受け継がれて循環します。永遠性です。変わり行く世の中にあっても変わらずに、神宮さまへの祈りや感謝を受け継いで行ける「常若」の精神がしっかりと神社界及び神職には根付しているのだと思いました。




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